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2009年1月13日 23:09

市民のための著作権講座 2

前回(1月5日公開)に続き、今回は「著作者の権利①②」を解説いたします。

 

 

4 著作者の権利 ①著作物とは

 

著作権法2条1項1号は、「著作物」とは、『思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。』と定めています。 

この定義から外れるものは、著作権法の保護を受ける「著作物」ではない訳です。

従って、「大山の標高=1709m」といった 人の思想・感情を伴わない「単なるデータ」の記述は、著作物ではありません。

 

創作性の無い「他人の作品の模造品」や「ありふれた表現」も、著作物ではありません。

「表現」で無い「アイデア」は著作物ではなく、それは「特許」という別の知的財産権として、特許法という別の法律の縄張りに属します。

(但し、「特許製法を記載した論文」は、その文章(表現)が「著作物」として保護されるので、無断でコピーすれば、原則として著作権の侵害となります。)

文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属すると解されない「工業製品」のデザインは著作物ではなく、それは「意匠」という別の知的財産権として、意匠法という別の法律の縄張りに属します。

なお、上記の条件を全部満たせば、プロ・アマ、上手い・下手、芸術的価値の有・無 といった事は関係なく、幼稚園児の描いた絵も、小学生1年生の書いた作文も、行政書士会のホームページも、皆「著作物」です。

著作権法10条1項は、著作物の定義を明確にするため「著作物の例示」として、「言語の著作物」「音楽の著作物」「舞踏・無言劇の著作物」「美術の著作物」「建築の著作物」「図形の著作物」「映画の著作物」「写真の著作物」「プログラムの著作物」を掲げています。

なお、或る著作物を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化その他 翻案(アレンジ)する事によって生まれた著作物も「二次的著作物」として別個の著作物として扱われます。

(この場合、アレンジして「二次的著作物」を作るには、原著作物の著作者の了解を取って行わなければなりません。

第三者が「二次的著作物」を利用する場合は、「原著作物」あっての「二次的著作物」なので、二次的著作物の著作権者の了解に加え 原著作者の了解も得なければなりません。)

又、雑誌・百科事典のような「編集物」も、全体(1冊丸ごと・全巻丸ごと)として、著作権法の保護を受ける「著作物」となります。

内容がコンピュータで検索出来るものを「データベースの著作物」と言い、それ以外のもの(紙媒体等)を「編集著作物」と言います。

 

 

5 著作者の権利 ②著作者とは

 

著作権法2条1項2号は、「著作者」とは、『著作物を創作する者をいう。』と定めています。

(「著作物の創作者」のプロ・アマ(営利性・反復継続性の有・無)は、問いません。)

従って、例えば 我が行政書士会が、広報宣伝用のチラシ千枚の製作(創作)を外部のA氏に依頼したとします。

受託者A氏は、自ら文章を考えて書き、オリジナルのイラストを描き、自分で写真を撮り、これらをA4サイズ上にレイアウトして チラシを完成させ、千枚プリント(印刷)して納品したとします。

発注契約に特に著作権の事が触れてなかった(特段の特約事項が無かった)とすれば、このチラシ(著作物)の「著作者」はA氏であり「著作者の権利」はA氏に帰属します。

我が行政書士会は その千枚のチラシの所有権を得、本来の利用目的に従ってこの千枚を「公衆等に配布する」事は当然に出来ますが、千枚使い切りそうになったので複製(コピー)してジャンジャン自由に使うという訳には行きません。

又、素敵な写真・可愛らしいイラストが使われていたからといって、それを我が行政書士会の広報誌に無断で転載して利用する訳には行きません。

(そうするためには、著作者A氏の許諾(了解)を取り(要求されれば利用料を支払って)そうすべきです。)

著作者となるのは、通常は「自然人」(創作した人個人)ですが、著作権法15条が、著作物の作成者の「法人(法人格を有しない社団又は財団で代表者の定めがあるものを含む〔著作権法2条6項〕)その他使用者」が著作者となる場合を定めています。

すなわち、

 

(ⅰ)法人その他使用者〔=法人等〕の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が 職務上作成する著作物で その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成のときにおける契約・就業規則その他に別段の定めが無いとき は、その法人等が著作者となります。

 

(ⅱ)法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が 職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成のときにおける契約・就業規則その他に別段の定めが無いとき は、その法人等が著作者となります。(コンピュータプログラムは、敢えて公表されない場合も多いので、公表名義が要件から除外されています。)

 

会社員とか 任意団体の役員とかが、その勤務・従事する法人等の立てた企画により、職務行為として作成し、更に(プログラムの著作物以外は、)その法人等の名で発表された著作物は、「そういうものでも、その個人を著作者とする」という契約・就業規則が無い限り、会社その他の法人等が著作者となり「著作者の権利」を享受するのです。

 

・・・次回は「著作者の権利③④」を解説いたします。掲載予定:1月20日頃