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2009年4月14日 22:17

市民のための著作権講座 10

前回(3月31日公開)に続き、今回は「著作権登録制度」を解説いたします。

 

17 著作権登録制度
 

「著作権(財産権)」の譲渡を受ける場合に、著作権法77条は、相続その他の一般承継によるものを除き、著作権の移転・処分の制限(差押・仮差押・仮処分)・質権(担保として他人に差し入れる事)は、「登録」しなければ、第三者に対抗することができない」と定めています。
「対抗できない」とは、著作者から或る著作物について「著作権(財産権)」を譲受た者が複数いる場合(二重に譲渡が行われた場合)に、時間的に先に譲受けを受けた(著作者と譲渡契約を結んだ)者でも、後から契約し先に「文化庁長官が著作権登録原簿に記載して行う」(著作権法78条1項)登録を受けた者がいれば、「自分の権利だ」と言えない(先に登録を受けた者の勝ちである)という制度です。(「著作隣接権の内の財産権」についても、同様です。)

これは、不動産の二重売買の場合に、「登記」を先に受けた者の勝ちであるのと同様です。

小室容疑者は、レコード制作会社に 自分の音楽の「著作権(財産権)」を譲渡し、その後自分が関係する別の会社にその音楽の「著作権(財産権)」の移転の登録をし、さらに 被害者の男性に「自分の楽曲全部を10億円で譲渡する」と持ち掛け、前金として5億円を騙し取ったと報じられています。
マスコミの論調は、『登録制度を悪用した』と表現しているようです。
家を買うのに売主が所有者かどうか、抵当権が設定されていないかどうか、登記簿を確認しないで買う人はいない(不動産の売買においては、関係者が一同に会し、買主への所有権移転登記・現在付いている抵当権抹消登記が出来る書類がそろっている事を司法書士さんが確認し、それと引き換えに買主がお金を渡して決済し、司法書士さんがその足で法務局に走って行って買主名義に登記してしまう)のと同様な事だと思います。
「業界では、互いに信用して、登録制度など利用されていなかった」という事のようですが、制度があれば、その制度に則って権利保全をしておかなければ、「法律上は、何を言っても駄目」という事になってしまいます。
なお、「プログラムの著作物」に関しては、「プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律」5条1項により、文化庁長官の指定する公益法人(指定登録機関)に登録事務を行わせる事が出来るとされ、これを受けて、現在「財団法人ソフトウェア情報センター」が登録事務を行っています。
他に「登録」が出来るものとしては、無名・変名で公表された著作者が行う「実名の登録」「第一発行年月日の登録」、公表されないプログラムの著作者が行う「創作年月日の登録」、本稿「2 知的財産権とは」で紹介した「出版権の設定等の登録」があります。

 

・・・次回は「例外としての無断使用」を解説いたします。掲載予定:4月21日頃