市民のための著作権講座 11
前回(4月14日公開)に続き、今回は「例外としての無断使用」を解説いたします。
18 例外としての無断使用
「著作権(財産権)」も、「公共の福祉」「他人の権利との衡平」の観点から、「権利制限規定」と呼ばれる規定が設けられており、一定の要件を満たす場合には、権利者の許諾を受けずに他人の著作物を利用する事が出来る場合があります。
この「権利制限規定」は、結構沢山存在し(著作権法の条項の数で言うと31条項にのぼり)、網羅的に紹介するのは 煩雑に過ぎるので、ここでは、代表的な2つを紹介する事とします。
(ⅰ)私的使用のための複製〔著作権法30条〕
下記の(あ)~(え)の要件を全部満たす場合には、例外としての無断複製が出来ます。
(あ)家庭内などの限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用する事
(い)使用する本人がコピーする事
(う)誰でも使える状態で設置してあるダビング装置など(当分の間は、コインコピーなど「文献複写のためにのみ用いるもの」を除く)を用いない事
(え)コピープロテクションを解除し(又は他人によって解除されている事を知りながら)複成するものでない事
なお、著作権法施行令で定めるデジタル方式の録音・録画機器・媒体を用いて複製する場合(例えば、CDをMDに落とす場合)は、上記の要件を満たす場合であっても、「著作権(財産権)」を有する者に「補償金」を支払うべき事とされています。(著作権法30条2項)
この徴収を直接一般ユーザーに対して直接行う事は事実上不可能なので、デジタル機器及びMD等のメディアの売価に「補償金」が上乗せされて売られ、「指定管理団体」がそれを受け取り、定められたルールに従って、各権利者に分配されています。
(従って、皆さんが直接「補償金」をどこぞへ納付しなければならないという事はありません。)
(ⅱ)「非営利かつ無料」の場合の「上演」「演奏」「口述」「上映」〔著作権法38条1項〕
下記の(あ)~(か)の要件を全部満たす場合には、例外としての無断利用(公衆に向けて音楽を演奏したり、歌を歌ったり、コンサートのDVDを上映したりする事)が出来ます。
(あ)「上演」「演奏」「口述」「上映」の何れかである事
〔合唱を複製(CDに録音)して公衆に譲渡する事や、公衆送信(インターネット上に HPに載せて合奏を公開する事)は、許諾無しには出来ません。〕
(い)既に公表されている著作物である事
(う)営利を目的としていない事
〔企業が宣伝のためにコンサートをする場合は駄目です。〕
(え)聴衆・観衆から料金等を受けない事
(お)出演者等が無報酬である事
(か)慣行があるときは「出所の明示」(誰それの作詞・作曲・編曲である事の表示)をする事
・・・次回は「著作権等侵害の罰則」を解説いたします。掲載予定:4月28日頃

















