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2009年5月19日 08:47

市民のための著作権講座 13(最終回)

前回(4月29日公開)に続き、最終回の今回は「著作権等侵害者への民事請求」を解説いたします。


お正月から始まった連載「市民のための著作権講座」も今回でいよいよ最後となりました。

「どうして13回などと中途半端な回数で仕舞いにするのだ!」

とのお叱りの声も無く、これまでつたない文章にお付き合いいただきました読者の皆様方のご支援に厚く御礼を申し上げ、「市民のための著作権講座」予定終了でございます。ありがとうございました。

 

20 著作権等侵害者への民事請求
 

「著作者人格権」「実演家人格権」を侵害された場合は、受けた精神的苦痛に対する損害賠償を請求する事になります。(民法710条)
「著作権(財産権)」「実演家等の権利の内の財産権」「出版権」を 誰かの故意・過失によって侵害された場合は、権利者はそれによって生じた財産上の損害の賠償を求める事が出来ます。(「不法行為」に基づ〔損害賠償請求権・民法709条〕
又、誰かの侵害行為によって侵害者が不当に利得を得ていれば(例え侵害者が自分が侵害行為をしている事を知らなくても)それを返還せよと求める事が出来ます。〔不当利得返還請求権・民法703条・704条〕

(侵害者が侵害したという事を知らないときは請求を受けたときに現存する利益額を、知っていたときは 不当に得た利益全部に利息を加算した額を請求出来ます。)
※ 被害者は、どちらでも 証明し易い方を選択して、請求する事が出来ます。)

不法行為に基づく損害賠償請求の場合、受けた損害の額は、被害者の方で証明しなければならないのが決まりですが、著作権法114条は、(あ)譲渡数量×単価利益、(い)被害者が得た利益の額、(う)使用料相当額 をもって損害の額と主張出来るとするなど、権利者の立証の負担軽減規定を設けています。
なお、侵害者の故意・過失により、「著作者人格権」「実演家人格権」を侵害された著作者・実演家は、賠償に代えて 又は賠償と共に、「著作者・実演家の名声・声望を回復する適当な措置」を請求出来ます。(著作権法115条)
死亡した者の「著作者人格権」「実演家人格権」が侵害された場合、著作者・実演家の相続人から、請求出来ます。(著作権法116条)
又、「著作権(財産権)」「実演家等の権利の内の財産権」「出版権」「著作者人格権」「実演家人格権」を侵害された権利者は、「侵害行為の停止」「予防措置」を請求出来ます。(著作権法112条)
死亡した者の「著作者人格権」「実演家人格権」が侵害された場合、著作者・実演家の相続人から、「侵害行為の停止」「予防措置」を請求出来ます。(著作権法116条)


21 終わりに

「ほんの 触りの積もり」で書き始めたこの原稿でしたが、書いていく内に「あれも、これも」という事で、結構なボリュームになってしまいました。
それでも、「著作権の存続期間(保護期間)」や、「著作権条約」、「JASRAC(社団法人日本音楽著作権協会)」などの「著作権等管理事業法」に基づく管理事業者の話には、全く触れませんでしたし、「権利制限規定」は、わずか2つだけの紹介にとどめました。
各回のお話についても、勿論本稿に書き切れなかった事が 沢山あります。
著作権を巡る争い(解釈)について、「限界事例」では、裁判所の判断(判例)が、実務の解釈を左右するという部分が大きいです。
裁判官でも厄介な「知的財産権」の裁判は、近年東京高裁に精鋭を集めた「知的財産高等裁判所」が置かれ、控訴事件は専らそこで取り扱うという風にもなっています。
このHPを読まれた皆さんが、「(広義の)著作権」に関心を持たれ、「知的財産は尊重すべき財産だ」という事を知っていただき、又 利用には注意を要する事を知っていただけたら幸いです。


「著作物の利用契約書」や「著作権登録申請書」等の作成・相談は、行政書士法に規定された行政書士の業務です。

何かありましたら、我々行政書士に 気軽に相談してみてください。